近年社会問題と化しつつある厄介な症状が、燃え尽き症候群とも呼ばれるバーンアウトです。バーンアウトとは、熱心に仕事に打ち込んできた人が突如としてやる気を失ってしまい、仕事に打ち込めなくなる症状を指します。

バーンアウトは2019年、国際疾病分類に正式に盛り込まれましたが、現在のところは症状を指す言葉として扱われており、病名としてバーンアウトという言葉が使われることはほとんどありません。

仕事に打ち込めなくなったなどの理由で精神科や心療内科で診察を受け、バーンアウトが疑われた場合は、うつ病や適応障害などの診断が下るのが一般的です。

バーンアウトについてはまだまだ分かっていないことが多いものの、仕事内容が過酷だったり、会社でプレッシャーを感じる状態が続いたりしている場合に症状が出やすいと考えられています。

病院で働く医師や看護師、介護業界で働く介護士などはバーンアウトの症状が現れやすい仕事です。人命を預かったり、高齢者などの日常生活で苦労している人をサポートしたりする仕事はプレッシャーを感じやすく、バーンアウトにつながりやすいわけです。

また、勤務時間が不規則になりやすいという点も、バーンアウトのリスクを高めると推測されています。

もっとも、近年は様々な業界でバーンアウトに悩まされる人が増えてきているのが実情です。リスクが大きい仕事、リスクが小さい仕事はあるものの、社会人として仕事に携わる限りバーンアウトの症状が現れる可能性をゼロにすることはできません。